叙情的崩壊と月夜

10/29
前へ
/65ページ
次へ
違う違う。 そんな事を言っとる場合じゃない。 大事なのはこの子が本当に誰かに追われていると言うことだ。 オーケィ?俺。 とりあえずこの場を離れないと。 桐生さんみたいにべらぼうに喧嘩強いわけじゃないんでね。 冒頭の俺のスペックから推測できるように、運動神経あんまし良くないですから。 俺は倒れ込んでる女の子をお姫様だっこの要領で抱きかかえる。 女の子の体ってやわらかーい。ふわふわだぁ。 俺「柔軟剤使ったのか?」 俺「いえ使ってません」 俺「なんだと!?流石ボールド!!」 アホな事をやっとる場合じゃない。 だが無理もないんだ。 わかってくれ。 小学六年生のフォークダンス以来女の子に触れる事の無かった俺が、いきなり気を失った半裸美少女をお姫様だっこはハードルが高すぎる。 もはや棒高跳び世界記録並みの高さだ。 ちょこちょこ小ネタを挟まないと、すぐに自制心が崩壊してダークサイドに堕ちてしまう!
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加