叙情的崩壊と月夜

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俺は追っ手に気付かれない様に、路地では無く少し遠回りして我が家に帰ってきた。 アパートの階段を登りやっとの事で玄関のドアを開ける。 柄にもなく走ったせいで息も絶え絶え、汗びっしょり。 次は無いかも知れんが、一応体は鍛えておこうと心の片隅に誓った。 とりあえず、ものすこく名残惜しいがいつまでもお姫様だっこしてるわけにもいかないのでベッドに寝かせる。 むさ苦しい野郎の部屋が一気に清涼感漂う空間になった。 これなんて匠!? 女性の底知れぬ魅力に感銘を受けつつも、まず第一の問題を解決しなければならない。 ………半裸はまずい。
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