叙情的崩壊と月夜

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「あっ!だ大丈夫?」 俺は半歩さがる。 彼女は起き上がり、そのうつろな瞳をこすりながらキョロキョロ辺りを見渡す。 「あれ?ここどこ?あ、アナタが助けてくれたの?」 「あ、あぁ。ここは俺の家。と、とりあえずその格好はまずいだろ?男ものしかないけど俺の服貸すから、着てくれ」 俺は若干しどろもどろになりながら、彼女に背を向け服を探す。 頑張れ、俺。 冷静になれ、俺。 「私悪い人に追われていたの。………怖かった。あなたが助けてくれなかったら私いまごろ……」 暴漢にでも襲われのだろうか?それとも本当に100億円少女? それなんて釘み…いや、それ以上は言うまい。 それにしてもこんな可愛らしい娘が追われていたなんて、日本も物騒ですね。
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