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彼はとても綺麗なプラチナブロンドの長い髪を無造作に垂らしており、凛々しく綺麗に整った顔はいつも退屈そうだった。
しかし、周りから見た彼は“退屈そう”ではなく、“クールで格好いい”らしかった。
その理由として、彼の美しい容姿と彼の性格があった。
容姿は元々なので仕方がないとしか言えないのだが、その容姿の所為か天才である所為かはわからないが彼は裏表の激しい性格になっていた。
例え普段どんなに退屈に思っていても、誰かに声をかけられるとすぐに優しく微笑んで返した。
しかし、自室に入って一人になると途端に笑顔が消え、溜め息や愚痴などを零していた。
―早くこの生活から抜け出したい―
彼は常日頃からそう望んでいた。
そしてその望みが、嫌々やっていた極たまにしか来ない任務によって叶う事になるとは誰も、彼本人でさえ思ってもみなかった。
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