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いとこたちと別れ、やっと一段落ついた。 さっきまでのうるささが嘘のように静かな家。 私は携帯をいじって、 姉はマンガを読んで、 お父さんは下でテレビを見てた。 私はお母さんに用事があって話しかけようとお母さんの方を見た。 「お母さ、ん…」 お母さんの目からは涙が出ていた。 「え、どうした?」 お通夜でも、葬儀でも泣かなかったお母さんが泣いている。 「いや、なんかおじいちゃんかわいそうだったなって…」 足の不自由なおじいちゃんの世話をしていたのはお母さんだった。 だから思い入れが多いのかな… おじいちゃんは困ったときに 「おーい」 と何度もよんでいた。 夜中とかいつでもそれは続いた。 お母さんは疲れた時とか、おじいちゃんに少し当たってしまっていた。 今思えば何で私たちも協力して世話をしなかったのかな… 「おじいちゃんは悪くないのに当たっちゃって… おじいちゃんはどう思ってたのかなって考えると… すごくかわいそうな事したなって…」 そういってお母さんはまた泣き始めた。 子供みたいに泣いてた。 いつの間にか姉も、私も泣いてて… 3人でわんわん泣いた。 もっと話していればよかった。 後から聞いた話で、お母さんと姉が二人でお見舞いに行ったとき、おじいちゃんが 「帰りたい…」 って言ったんだって。 「家に帰るために、たんの吸引や苦しい治療に耐えていたんですよ。」 って看護師さんも話していたそうです。 1日でもいいから、おじいちゃんが退院して 「お帰り!」 って迎えたかったな。 12月で退院予定だったのに… 神様は本当に意地悪だ。
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