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歩いて行く2人の目の前に武家屋敷のような建物が威圧感たっぷりに建っている。
「これも親戚の家か?」
「違うよ、これは道場だよ。」
「道場?」
刀也は道場の入口に掛かっている看板を指を差す。
「前鬼流武刀術だよ。
大層な名前でしょ?
…銀太?」
覗いた顔を見て、刀也は悪寒を感じた。
道場を鋭い目付きで睨み付け、額には一筋の汗が流れ落ちる。
殺気にも似た空気を纏い、人を近付けない雰囲気を醸し出す。
「…刀也。」
「ん?」
「俺…用事、思い出したから帰るわ。」
そう言うと回れ右をし、来た道を足速に戻って行く銀太。
「ちょっ、銀太?」
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