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「オヤジ…お袋…見つけたで。」
マンションの一室に置いてある仏壇の前で正座をする銀太。
部屋の電気は点けず、闇の中で銀太の鋭い目だけが見えている。
「ここまで来んのに6年も掛かったわ…」
その声には抑揚は無く、三流の役者かのように棒読み口調で喋る。
「やるで?
殺す…友達だろうが関係あるかいな。
前野家に縁がある者は皆殺しにしたる!!」
銀太は静かに立ち上がると窓を開け、ベランダに出た。
月明かりに照らされた銀太の格好は漆黒の拳法着のような服装に両腕に小手を着けていた。
「じゃあ…行くわ!」
六階のベランダから飛び降りた銀太。
しかし、直下の地面には銀太の姿はなかった。
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