前野刀也

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刀也の鼻歌は留まる事を知らず、周りの目など眼中に無し。 そのまま天にも昇る気持ちで彼が通う高校、東京都立新守口高等学校に到着した。 刀也のクラスは1-A。 まだ、この高校に入学したてだった。 意気揚々と自分の席に座り、鞄の中からアニメ情報誌を取り出した。 刀也は自分がアニメオタクである事にある種のプライドを持っていた為、人前で自分のソレを隠すようなマネはしなかった。 故に入学当初から存在自体が浮いてしまい、友達は少なかった。 「どうしたの、前野? やけに上機嫌じゃない。」 「ん? あ、鏡! 聞いてよ、実はさ…」 話し掛けてきた鏡と呼ばれる少女。 鏡桜子。 刀也とは家が隣の幼なじみ。 親戚関係にある2人は幼少の頃から仲が良く、幼稚園からずっと同じ進路を辿っている。 小学生の時までは[刀也][桜子]と呼び合っていたが、中学生からは名字で呼び合っている。
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