前野刀也

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「…抱き枕って…」 完全に呆れ顔の桜子。 しかし、刀也はお構い無しにミユゥちゃん抱き枕について熱弁する。 「アンタ、何歳よ…」 やれやれといったポーズを取り、元居た女子グループの輪に戻って行く桜子。 自分の情熱が伝わらなかったからか、刀也は頬を膨らませ、プィっと窓の外の景色に目をやった。 「…あれは…!」 窓の外に見えた人影を見た刀也は一目散に教室を飛び出した。 「ん? ちょっ、前野! 何処に行くの!?」 桜子の言葉など耳に入らず、刀也は下駄箱に走って行く。 タッタッタッ… 「銀太!」 息を切らせ、下駄箱で靴を履き変える少年に声を掛ける。 「え? あぁ、刀也か。 おはよ。」
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