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大学当時、私と付き合っていながら、グラマーでスタイルが良かった万由子に惹かれた龍一だった。
その万由子も二人の子供を生み、妻の座に胡座をかき、その緊張感の無さが全て身体に脂肪となって付いているようだった。
カートにやんちゃな子供を乗せて、ピチピチのジーンズにピチピチのTシャツからは肉がはみ出し、素っぴんで買い物をしてる姿を見て、私は勝ったと思った。
思わず笑みがこぼれた。
あの龍一が、こんな太った万由子を抱くのかと思うと滑稽だった。
その龍一が、今目の前に居る。
昔の恋人を見て、眩しそうな目で私を見ている。
『後悔しなさい、あんな女と結婚したことを』
私は、自分が一番魅力的に見える笑顔で龍一に微笑みかけた。
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