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「あ…ヤバイ、仕事行かなきゃ!
ねぇ、奈津ちゃん、メルアド教えてよ」
龍一は私の笑みを、懐かしがっているとでも思ったのか、早速、次の段階へと進めようとしていた。
「そうね…」
私は、思わせ振りに狡い笑みで龍一を見た。
「あ~時間がもうない!
じゃあ、ここに、メールして、ね、必ずメールしてよ!」
龍一はそう言って慌てて帰って行った。
私はそのアドレスが書かれた小さな紙切れを、クシャクシャと手の中で潰した。
そして、飲み干したカッブの中に入れようとして、思い止まった。
私の頭に、ある事が閃めいた。
それは、私の中に眠っていた龍一への憎しみを晴らせるかも知れないと、直感で感じた。
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