秘密

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私はスポーツは苦手で、美術部に入り、二階にある部室の窓からグラウンドを見下ろし、龍一がボールを追う姿を見ていた。 小麦色に焼けた長い足が機敏にボールを追いかけ動く姿は、草原を走る黒豹の様で、私は飽きずに龍一を見ていた。 「奈津子も龍一君のファン?」 入学して直ぐに仲良くなった、同じクラスの美咲が窓辺に座っていた私に声をかけた。 「え…そんなんじゃないけど…」 美咲とは仲良くはなっけど、まだ全てを打ち明けられる程は近くなかった。 「龍一君、格好いいもんね~他のクラスでも噂されてるみたいよ」 「そう?」 私は、そんな話しには興味なさ気に、部室の掃除を始めた。
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