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その頃の私は恋に恋をするような少女で、龍一に対しても憧れのような存在で見ていた。
自分から告白して、龍一の気持ちを知りたいとか、もっと近くになりたいとか、そんな風には思わなかった。
身近に気になる好きな人が居ると言うだけで、龍一を後ろから見ているだけで満足だった。
恋に恋をしている自分に、悲しんだり喜んだりして、それだけで、よかった。
そう言う意味では、私は奥手だったのかも知れない。
そして、高校1年の夏は、部室の窓から龍一の姿を見ているだけで過ぎていった。
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