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それは…半年前にさかのぼる。
春、4月のある日だった…。
出張で朝早くに出掛けていった夫の雅彦を見送ると、私は朝からゆっくりとバスタブに浸かった。
軟らかく温かいお湯が、身体の隅々まで解してくれる。
ほんの少し前まで、雅彦と睦あっていた身体…。
まだ子供を産んだ事のない身体は、白く引き締まり水を弾いた。
気だるい疲労感にお湯が気持ち良かった。
雅彦は今日から一週間の出張、暫く逢えたないからと一晩中私を求めた。
「奈津子、浮気するなよ」
そう言って、飽きるくらい何度も私の中に放った。
ふふふ…と私は思い出して一人笑った。
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