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夏山が寝ている春川を
揺すって起こし始めた。
「茜、茜、揃ったよ全員」
「えぇ……? 揃ったの……?
まだ眠いんだけど……」
春川はまだ半分寝ている。
目は半開きで馬鹿みたいな顔だ。
「おい、高杉。今、茜を見て
馬鹿みたいな顔って思ったな?
絶対思ってただろ? 」
何故分かったんだ?
「いや、思ってない……」
「そうか。馬鹿」
何故そこで馬鹿が出る?
夏山が揺すり続けてようやく
春川が起きた。
春川は椅子から立ち上がり
俺の前に近づいてきた。
「な、何だよ春川? 」
「…………ふっ」
何故鼻で笑った?
春川は元の場所に戻り
椅子に座った。
「では、部活を始めます」
春川が急に真面目になる。
少し驚いた。
この切替の速さは普通じゃない。
何か大切な話だろうか。
しかしこいつは春夏秋冬の1人。
俺の期待を裏切らない馬鹿な
話を始めるだろう。
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