天明の異端児と天明の麒麟児

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不良を殴る春川の顔は 何となくだが楽しそうだ。 この状態の春川は恐ろしい……。 春川が殴ることに飽きた頃には 不良は泣いていた。 哀れ、不良A。 倒れていればよかったのに。 「高杉君、大丈夫!? 」 「当たり前だ……。 ちょっと痛いけど……」 俺がそう言うと 春川が抱き着いてきた。 「ふが……!! 」 「ごめんね……。 私のせいで高杉君がこんな……」 さて、ここで問題。 女嫌いの俺が女に抱き着かれたら 一体どうなると思いますか。 答えは、気絶。 「あれ、高杉君? 高杉君!? ちょっと? そんなに不良のパンチが……」 それは違う。 不良のパンチより春川の 抱き着きの方が強力なのだ。 「ま、まさか……。 …………死んだ!? 」 それも違う。 夏山、秋谷、冬木に早く助けに 来てほしいと願う俺だった。 春川の抱き着きから 解放してくれ……。
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