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石垣の重い一撃が左頬に当たる。
ふらふらだった俺は、その一撃で
地面に倒れた。
「まだだぁ……!
もっと苦痛を味わえ! 」
何だよこいつ。
春川と同じドSかよ。
動けない俺は石垣の暴行を
ただ受けるだけ。
反撃も、回避も今は出来ない。
「…………! 」
秋谷が見ている。
今の俺は凄く情けない……。
天明の異端児などと呼ばれながら
この有様……。
助けられなくて、ごめんな……。
「待ちなさい、そこの男! 」
諦めかけていた時だった。
突然、女の声が聞こえた。
しかも聞き覚えがある声。
声が聞こえた方向を見ると、
夕陽が逆光になって見にくいが
人が3人立っている。
「我々は正義の味方。
そこの馬鹿と少女から離れろ」
これも聞き覚えがある声だ。
それに馬鹿って……。
「今日はいい天気ですね。
夕陽が綺麗です」
……この感じと声。
大体誰かは分かった。
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