感謝の言葉

4/12
前へ
/193ページ
次へ
石垣の重い一撃が左頬に当たる。 ふらふらだった俺は、その一撃で 地面に倒れた。 「まだだぁ……! もっと苦痛を味わえ! 」 何だよこいつ。 春川と同じドSかよ。 動けない俺は石垣の暴行を ただ受けるだけ。 反撃も、回避も今は出来ない。 「…………! 」 秋谷が見ている。 今の俺は凄く情けない……。 天明の異端児などと呼ばれながら この有様……。 助けられなくて、ごめんな……。 「待ちなさい、そこの男! 」 諦めかけていた時だった。 突然、女の声が聞こえた。 しかも聞き覚えがある声。 声が聞こえた方向を見ると、 夕陽が逆光になって見にくいが 人が3人立っている。 「我々は正義の味方。 そこの馬鹿と少女から離れろ」 これも聞き覚えがある声だ。 それに馬鹿って……。 「今日はいい天気ですね。 夕陽が綺麗です」 ……この感じと声。 大体誰かは分かった。
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!

641人が本棚に入れています
本棚に追加