真夜中

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彼の机に触れてみる。 冷たい木の感触が心にしみて悲しさが溢れた。肉体がないのだから、涙が出る訳じゃない。 悲しい感触とでも言うのか、説明出来ない感覚が私を襲う。 ふと視線を上げると彼の顔があった。どうやら、私は彼を意識したらしい。彼は自分の部屋でで友達と電話していた。 誰と電話をしているか見る。 肉体がないとプライバシーもヘッタクレもない。見たいと思うだけで見えてしまうのだ。驚いた事に電話の相手は私を死にまで追いやった人物だった。
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