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アカリ(声)「私の話を聞けーーっ!!」
[音響が消え、照明ももとに戻る。アキラとマンジュは急いではける]
アカリ(声)「いいか?私は兄の葬式で『いまびき』だ。つまり仕事は休む!」
センジュ「・・・『いまびき』?(上手に向かって)『きびき』ですよアカリ!馬鹿ですねえ・・・。」(パソコンに向き直る)
担当(声)「こ、困ります美蜘蛛先生!確かにお兄様がお亡くなりになられて『いまびき』っていうのはわかりますけどぉ・・・。仕事はできるでしょぉー!?」
センジュ(独り言のように)「『きびき』ですよ。担当も同レベルですか・・・。」
アカリ(声)「とにかく、休みは3日ほしい。少なくとも今日は書けない。休み明けにはちゃんとする。それでダメなら蒸発するよ。」
担当(声)「やめて下さい先生!(諦めのため息)・・・しかたありませんね・・・。わかりました。待ちます。トンズラしたら絶・対!許しませんからね!」
アカリ(上手から戻ってきて)「全く・・・。」
センジュ「アカリ。」
アカリ「はい?」
センジュ(パソコンを見ながら)「なんですかコレ。」
アカリ「何してるんだお前はーーーっ!!!」(センジュを突き飛ばす。)
センジュ(倒れるが平然と)「何って・・・マンジュとかいう女の子、モデルがいるような気がして。新作ですか?
アカリ「勝手に見るなよ・・・。新作じゃない。趣味の小説だ、息抜き小説。」
センジュ(起き上がりながら)「趣味?息抜き?なんですかそれ。そういうのは本当に作家として食べている人の台詞ですよ?今のアカリの台詞では、まるで出している小説が売れている人気作家みたいじゃないですか。」
アカリ「・・・私は印税で飯食ってんだよ・・・。」
センジュ(大袈裟に)「それは知りませんでした。」
アカリ(ため息)「お前が昨日食べた焼き魚は誰のおかげで食えたと思ってるんだ。」
センジュ(即答で)「漁師さん。」
アカリ「・・・そうだな、お前が正しい。・・・はぁ・・・。」
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