君に願いを

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「大ちゃん、今日も良かったよ」 俺の彼女、佐藤愛は言う。 「ありがとう」 「プロデビューも夢じゃないね」 「まだまだだよ」 俺はミュージシャンを目指している。 今日もストリートライブをやった。 初めのころよりかは、お客さんの数は増えた。 でもまだだ。 こんなんじゃ上にはいけない。 「大ちゃん?」 「ん?」 「また恐い顔してる」 「してねぇよ」 「してるよ~。それよりご飯食べに行こっか」 愛は俺の返事も待たずに引っ張っていく。 「まだ行くって言ってない」 「いいから、いいから」 ――――――― 俺と愛が付き合い始めたのは今から一年前くらいだ。 初めて俺の曲を聞いて泣いてくれたのは、愛だった。 気付いたら、恋人関係になっていた。 もうすぐ付き合って一年が経つ。 愛に何をあげよう…
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