1人が本棚に入れています
本棚に追加
私の名前は雨宮ゆき。
21歳、彼氏なし。
今、私はクリスマスケーキをお店の前で売っている。
しかも、ミニスカートのサンタさんの衣装で・・・。
今日はクリスマスイブ、何が良くてこんなバイトをしたんだろう。
チラチラと街を歩く人の視線が気になる。
「いらっしゃいませ、ケーキどうですか?いらっ」
ドンッ
「いったい、あぁ!ケーキが・・・」
通行人とぶつかってしまった、その弾みで持ってたケーキが落ちて中身グチャグチャ、店長に見つかったら怒られる。
「大丈夫?ごめんボーっとしてて」
「私は大丈夫です、それよりケーキが・・・」
ぶつかった男から目線を移し私はもう一度グチャグチャになったケーキをみた。
「ごめん、お詫びにそのケーキ買うから」
男はグチャグチャのケーキを指差して言った。
「そっそんな悪いです!私も気付かなかったし」
「良いから!ハイこれね、じゃ~バイバイ」
「えっちょっ・・・と」
男はグチャグチャのケーキを持って、お金を置いて行ってしまった。
でも私は内心、安心していた。
ぶつかった人が彼みたいな人で良かったと。
最初のコメントを投稿しよう!