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父さんと母さんは何も言わず、俺を見ている。
沈黙を破ったのは先生だった。
「修次くん君も、もう立派な大人だ・・・先生が今から話す事を聞いてくれるね?」
「・・・はい」
先生の話は予想通り。
心臓病
もう、いつ死んでもおかしくないって・・・俺の体は今の所何ともないけど。
昨日は先生が言うに本当にヤバかったらしい。
俺は覚えてないけど・・・。
高校卒業後、体調が悪くなって病院に行った。
その時、心臓の病気だと言われた。すぐに入院したけど、完治するには心臓移植しかない言われた。
最初は友達とか見舞いに来てくれたけど、だんだんと来なくなっていった。
俺は入院してからの数年、出来る限り悔いの残らない生活をしてきた。
体調が良い時は家に外泊したり、家族同伴だけど出掛けたり。
だけど一つだけ叶わない事があった・・・。
彼女が出来た事がなかった。
だから昨日、病院を勝手に抜け出したんだ。
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