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「初音ちゃん?」
と誰かわからない女の人に声をかけられた。
警戒していたのが多少わかったのか、苦笑いをして、私にもう一度聞いてきた。
「貴方、山南初音ちゃん?」
ただ頷いていた。
違うわけでもないし、ただ聞いてきただけだ。
何も誘拐しようなんて思っていないだろうし。
と思っていたら、意外な言葉がその人から出てきた。
「貴方を迎えに来たのよ。」
迎えに?何故?
「貴方のお母さんとおばちゃんは、お友達なんだけど、貴方のお母さんから貴方を預かって欲しいって言われたのよ。」
と。
あぁ、私は両親に捨てられたのだと瞬時に理解した。
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