面倒臭いだけのひと。

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確かに彼には全くもって心当たりがない。 男に告白するなんてどうかしている。 アレルギーレベルで嫌っている彼に、そんな事が出来る訳がない。 ふりだけでも気分が悪くなると言うのに。 「でも委員長は確かにみたっていってたわ」 「俺が男に、告白なんてするわけないだろう……」 怒鳴っていては、所詮体力の無駄であるので、止めた。 疲れるだけである。 「だって、あんたはいっつもリオンと一緒に居るでしょう。だからそっち側の人間じゃないのかって……」 「いや、確かにいつも一緒に居るイメージあるかもしれないけど、つか否定出来ないけど、俺はそんな趣味じゃありません」 「でも、私が読んだ本じゃあ……」 「よし、その本今すぐ持ってこい。すぐに焼却処分してやる」 「だ、駄目よ! 私の唯一の楽しみを奪わないで!」 「そんな本ばかり読んでいるから、そんな風に思うんだろうが。と言うか、友情と愛を間違え過ぎだ」 「な、何よ。友情なんかじゃないわ。れっきと愛よ!」 「同性愛なんて俺は認めない!」 ファイの本音である。 カレナだけでなく、一部の女子や男子からも、同じ様な眼で見られている事くらいは知っている。 あんまりにもリオンの世話ばかりを見ているせいであろう。 出来る事なら変わってほしいと言うのに。
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