面倒臭いだけのひと。

20/33
前へ
/617ページ
次へ
「同性愛は絶対にあるわ!」 力強く言い切るカレナ。 余程、気に入っているのだろう。同性愛本を。 尤もファイには全くもって理解できないだろうが。 「いいや、無いね。まったくそのおかげで俺がどれだけ酷い目にあったことか」 無意味に顔だけは良い男を相手役に、無意味な妄想を膨らませる馬鹿どもがいる事くらい知っている。 半年近くの時間をあの学校で過ごして来たのだ。 そんな勘違いをしている奴がでてくるくらい、分かっている。 そして、いくら大きいとは言っても限られた閉鎖空間である学校内で、その噂が耳に入ってこない訳がない。 「ジョニーとジャンの愛を邪魔させる事はさせないわ!」 「そんなもの愛じゃねえ!」 「愛よ! 何よりも深い愛よ!」 「お前は愛を勘違いしている!」 「いいえ! 違いますわ!」 「……二人とも、何をしているの?」 言い争う二人に割って入ったのは女性の声。 ピアナでは無い。 「……クルド?」 「クルド?」
/617ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7442人が本棚に入れています
本棚に追加