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普段は見ることが許されない学校に、興味を持たない事なんてありえない。
それに女子の園と言うだけで男子は興味がわくだろう。
周囲を興味深げに見まわすファイ。
校舎はやはり、どことなくユーレリウル学園に通ずるものがある。
だが、その手入れのよさや、新しさは全く別物である。
そもそも、ファイ達の学校は訓練施設などに資金の殆どをかけている。
それとは逆に此方の聖オラトリオ女学院は、校舎などの整備に金をかけているのだ。
求める方向が全く違うのだ。
「ファイ、そろそろ見回すのはやめたらどうです? 恥ずかしい……」
エルからのお咎めもあり、ようやくファイは首を動かす仕事を止めた。
そろそろ、見たいものは見れたからだ。
広い校舎を歩き回ること十数分、ようやく目的の職員室まで辿り着く事が出来た。
しかし本当に無意味に広い学校だなとファイは思う。無意味に広い、という言葉は自分の学校にも当てはまる事でもある。
きちんと扉をノックして、扉を開いた。
「失礼します。転校生のエル・ヴィエル・レグルスです」
「同じく、従者のファイ・クロノ・デルシオンです」
二人がそう言うと、一人の女性教師が立ち上がった。
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