少女たちの楽園へ……

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「では次の質問! 今朝、箒に乗っていた美人とはどういう関係ですか!」 これは少し予想外だった。 次に来る質問は、なんでこんな所に居るんですか、だとばかり思っていたのだ。 まぁ、男子からすればそっちの方が気になる。 「まぁ……はい。あの人が俺の仕えている人ですから」 またも歓声が上がる。 あれだけの美貌だ。気にならない奴がいない。 例え従者をしていたとしても、彼らも男子である。 「お前ら、とりあえず静かにしろ。聞きたい事はいろいろとあるだろうが、とりあえずホームルーム始めるぞ。じゃあデルシオン、お前はあそこにあいてある席に座れ」 返事をすると、ヴァンが指示した席まで歩いて行く。 とりあえず一つだけ感じたことがある。 席についたファイは思う。 周りからの視線がすげええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええ! 全員前を向いている筈なのに、興味がこっちに向いていることがひしひしと伝わってくる。 全く……どうしてこうなったんだろうか……。 目立つのが非常に嫌いなファイは、溜息を吐いて事の発端を思い出す。 ―――――― 事の発端は例によって、生徒会長からの呼び出しである。 なんて事の無い普通の日。 丁度リオンを探しにまた屋上まで歩いて行っていた時だった。 「ファイ・クロノ・デルシオン、リオン・ヒルタレンの両名は生徒会室に来て下さい」 今度は一体何の用だろうか……。 以前にも生徒会長から呼び出されて、親戚の少女と会う羽目になったのだ。 お陰で色々と厄介な事になってしまったのを覚えている。 ファイとその親戚には血のつながりはあっても、名前……ファミリーネームは同じではない。 叔母の娘であるからでは無い。 クロノが、家から捨てられたからである。 その所為か従妹もファイ達の事を卑下して見ていた。 自分達よりも格の低い、愚かな者たちであると。 その後いろいろあったおかげで和解、のような形にはなったが。 正直、生徒会長から呼び出されるのは、あまり良い予感がしない。
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