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「君が嫌な事は重々承知している事だ。だが、やってもらわねば此方としても、面子に関わるのでね」
陰鬱そうに溜息を吐く生徒会長。
彼女自身も家柄とかそう言ったもの拘る方では無い。むしろ、どうでもいいと言っている人だ。
だからこそ、こう言った事が煩わしくて仕方ないのだろう。
「……上からの圧力ですか」
「察しが良くて助かるよ。一度は断ったんだがねぇ」
「会長も大変ですね」
「好きでやっていることだから弱音は吐きたくないさ。できる事ならね」
上からの圧力、というのは恐らく、校長辺りからの圧力だろう。
生徒会というのは所詮、生徒達によって結成された機関の一部。
どう頑張ったところで、教師陣の権力には敵わないだろう。
それにこの学校は、生徒会に権力を持たせることを非常に嫌っている節があるのだ。
その考えは、分からなくもないが。
「仕方ないな、やるしかないだろう。諦める事だね、リオン」
「……ああ」ファイの言葉に短く答えるリオン。
余程嫌なのだろうか。
「それで、実はだな。今から彼女たちの家に行ってもらいたいんだ」
「は? 今からですか?」
唖然として聞き返すファイ。
と、言う事は午後からの授業は全て欠席となる。
「そうだ。迎えの車も、すでに来ているそうだ。どうも今回は急ぎの用事らしくてな」
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