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今回の車は前回と比べると少しばかり、貧相に見える。
まぁ流石に前回が豪華すぎただけなのだが。
それに、今回はどうやら速度を重視したものらしい。
乗り込む際に、運転手の男が「かなり飛ばすので、シートベルトをして衝撃などにお気を付け下さい」と言っていた。
実際かなり速かった。
正直なところ、レース用の車では無いのかと思うくらいに速かった。
冗談じゃないのだが。
まぁ、おかげでついた頃には足が笑っていたが。
普段、光速で移動する事もあるリオンにとっては涼しいみたいだ。
とりあえず震える足に鞭うって、カレイネル当主のいる部屋へと向かう。
出迎えは居たが構っている時間も惜しそうだった。余程急いでいるのだろう。
なんとか当主の部屋までたどり着くと、ノックもせずに扉を開ける。
いや、蹴破ったと言った方が正しい。
「よおぅ、また呼びつけてくれるとは大層な御身分になったもんだなぁ、ミルネぇ!」
入るなり、部屋の中に居たカレイネル当主に向かって怒鳴りつけるリオン。
全く、少しは自重という言葉を覚えて欲しいものだとファイは溜息を吐いて思う。
今更な事ではあるが。
「貴方こそ、少しは静かに入ってこられないのですか」
リオンの気迫に負けることなく、少しばかり気の強そうな面持ちをしたミルネは言う。
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