少女たちの楽園へ……

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しかも生徒達の注目の的だ。 刀なんて代物を拝んだ事が無いのだろうか? それとも、赤い鞘を持っている刀が珍しいのだろうか。 いや、刀では無くて服装の事かもしれない。 この服装は体操着の集団の中では以上に目立つ。 本当に憂鬱だ。 「ちゃんと整列しているな。関心関心」 ヴァンが再び現れた。今度は動きやすい服装でだ。 「ん? 転校生は、体操服じゃないんだな」 生徒達の前に来た彼は、ファイの事を目に入れてそう言う。 「この服装は気にしないでください。体操服が無かったもので」 「へぇ、でもそれはユーレリウル学園のものだよな」 「ええ、よくご存知ですね」 まぁ、教師なら知らない方がおかしいか。 「前の学校はユーレリウル学園だったのか。そうか、成程……」 ヴァンは顎に手を当てて考え込む。 何故だろうか、非常に嫌な予感がする。 むしろ嫌な予感しかしない。 「よしそれじゃあ、今日は転校生の歓迎会と行こうか!」 どうやらその予感は的中したらしい。 「ちなみに、それは一体……」 「俺との模擬戦だ!」 「嫌だぁ! 絶対に嫌だぁ!」 教師との戦闘は非常に嫌な思い出がある。 嫌な思い出と言うより、トラウマに等しい。当然の事ではあるが、ファイの心に深い傷を残した事は言うまでも無いだろう。 「……何でそんなにいやがるんだよ。お前にとっては何時もの事じゃ無いのか?」 「あの学校ではそうでしたよ。模擬戦くらいは普通です! 俺だって普通にこなしていました! でもね……先生とやる事だけは嫌なんです!」 「なんか、いやな事でもあったのか?」 「……死にかけました」 「心当たりがあるのが怖い……」 ヴァンは呟く。どうやら彼にも、若干のトラウマというものがあるらしい。 「とにかく! 今日はお前がお手本となるんだ!」
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