訪れる未来の女神

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どちらにしても、彼女を誘い出すにはうってつけの口実である。 それよりも、ファイにとってはリオンが同じチケットを複数枚持っていた事に驚いた。 流石は崩天のルシフェル。 この程度のチケットを手に入れるのに、大した時間もかかっていないのだろう。 一般人に限りなく近い貴族のファイからすれば、天上の人だ。 まったく、贅沢だ。 「流石に、一人で行くのは味気ないですからね。そこで貴女のような美しい女性の方が、ご一緒して下さると非常にうれしいのですが」 柔らかな笑みを浮かべてリオンは彼女にそう尋ねる。 これはこれで、女性の心を揺さぶる。 リオンの容姿がとても格好良い事に違いは無い。 教室にいる生徒達は、リオンが転校生を口説いているのを、好奇の瞳で眺めている。 そんな中で唯一、不機嫌そうに頬を膨らませているのが、我らが委員長である。 リオンの誘いに、黙って何かを考えているクルド。 ファイはその光景をみながらにやにやとしている。 どうせ、断られると思っているのだ。 これを機会に、少しは真面目になって欲しいと、切に願っているのから。 実に勘違いも甚だしい。 別にリオンは、恋をしている訳では無い。ただ、見覚えがあるから、そして嫌な予感がするから話しかけているというのに。
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