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当然、エル自身もそれに外れていない。
と言うより、面倒なだけだが。
わざわざ護衛程度に情報を集めたりなどするものか。
全く面倒臭い。
「そうか、そうなのか。でも、君は近接戦闘に随分と慣れているみたいだけど?」
ヴァン一度は納得した風に首を振ったものの、すぐに次の質問をする。
「魔家とはいえども、現代では近接戦闘も出来なければいけませんわ。ですから、自分で特訓しましたの」
よくもまぁこんな風に、息を吐くように嘘がつけるものだ。
魔法の才能よりも、元は剣の才能の方が高かったくせに。
「そうなのか。随分と努力をしたみたいだね」
「それなり、ですわ。近づかれた時に、ある程度不利にならない様にするためですの」
流石にこれ以上は厳しい。
一体、このヴァンという教師は何が聞きたいのだろうか。
武人として、戦いたいのか。それとも、何らかの違和感を持ったのか。
なんにせよ鬱陶しいだけ。
「ヴァン先生、その辺で良いでしょう。そんなに根掘り葉掘り、聞く事でも無いでしょう?」
ウルドから助け船が渡される。
彼女としては、内心困っているエルを見るのは、とてつもなく面白い事であるが、此方の作業や目的に問題をきたす恐れがあるので、そろそろご遠慮願いたい。
この後にもぎっちりと予定が詰まっているのだから。
なんの為にかの悪名高い……ではなく、超有名な崩天のルシフェルを呼び寄せたことか。
只でさえ、面倒事が立て続けに起こっていて、いろいろと対抗策を立てている
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