7442人が本棚に入れています
本棚に追加
生徒達は授業に遅れそうになると、よく窓から飛び降りる。
若しくは飛び上がる。
リオンとファイに至っては追いかけっこをする為に、毎日飛び降りたりしているのが日課だ。
学校の屋上からも飛び降りた事があるので、最早高い所から飛び降りる事に対して恐怖を抱かなくなっている。
「まさかこっちに来てまで飛びおりる事になるとはなぁ……」
着地して上を見上げながら、ファイは呟く。
お嬢様と言っても、やっぱり色々とあるものなのだろう。
と言うか淑女を目指している生徒が唐突に魔法をぶっ放してもいいのだろうか。
……細かい事は気にしないでおこう。今は逃げた方がよさそうだ。
上を見ると、凄まじい形相をしている先程の女生徒が。
今にも魔法を放ちそうだ。
とっとと逃げて、エルと合流した方がよさそうだ。
「あらあら、遅いと思ったらこんな所で油を売っていたのね」
一陣の風と共に、ファイとシルノの二人の間に影が落ちる。
見上げるとそこには箒に腰かけた魔法使いが居た。
相変わらず、制服姿だというのに、魅力的すぎる体つきだ。妖艶と言うか、なんと言うか。
「全く、私の所に来ないと思ったら従妹とイチャイチャとしていただなんて……」
「あ、いえこれは……」
やれやれと溜息を吐きながらチクリと厭味を言う。
「まぁ、その事については後々聞く事にしましょうか」
最初のコメントを投稿しよう!