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「……そうだ、魔法陣だ」
エルがうんざりした風に溜息を吐きながら、そう言う。
「それがどうかしたのよ。別に普通の魔法陣じゃ無い」
シルノが今更と言った風に、それを見る。
「……ただの魔法陣では無い、と言うか何故お前が魔法陣を見慣れている風なのが気に入らないのだが」
「あら、私だって魔法陣くらい知っているわ。転移するために使用するのでしょう?」
「やっぱりこいつは馬鹿だ」
溜息を吐いて、リオンはそう言う。
「良いか、さっき長ったらしい説明したから簡易的にするが『魔法を使用する陣』の事を魔法陣と言うんだ。つまり魔法陣によっては、様々な魔法を使用する事が出来る。こいつは捕縛用の魔法陣だ」
エルは魔法陣を発動させる。
するとシルノの体をコンクリートが縛り付けた。とてもエロい縛り方で。いわゆる亀甲縛りというやつである。
何故、こんな雲ひとつない青天の下でこんな事をするのかは理解出来ないのだが。
「ちょっ! 何するの!」
「煩い。黙ってろ。ファイ、今からこいつを量産する作業を手伝え」
「何でですか! 俺は魔法陣なんて書いた事無いんですよ!」
余りに唐突な要求に、ファイは驚いて声を上げる。
魔法陣なんて今は失われた技術を彼自身が覚えている訳が無い。
当然あんな複雑な式を覚えている訳でも無い。
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