聖女と淑女と少女達とそして従者

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こちとら学業で忙しいというのに、これ以上余分な事で折角の青春を無駄にしたくない。 折角の高校生一年生という、素晴らしい時間がなんかよく分からない事件で覆い尽くされようとしているような気がする。 まぁ、十五年前に戦争があったばかりなので、仕方ない事ではある。 治安はそれなりに回復したものの、以前はかなり荒廃していたらしい。 大半は崩天のルシフェルのおかげで、沈静化したらしいが。 ……もしかしたら、また戦争が起きやしないだろうか? ふとよぎった考えに身を震わせて、頭を振ってその考えを捨てる。 それはありえない。 幾ら、こう言った事件が続くからと言って戦争がまた起きて貰っては困る。 それに、諸外国は戦後の処理がようやく落ち着いてきた頃の筈。 これから持ち直す頃だというのに、戦争なんて起こす馬鹿はいないだろう。 それに、以前この国が戦争をしていた相手国は必要以上に大きな痛手を、被っている筈。 何せ、五十万の兵が一人残らず使いものにならなくなってしまったのだから。 幾ら大国とは言っても、これでは戦争を起こすなんて気にはなれない。 その筈だ。それに、現状では崩天のルシフェルが居るこのキホリア国に、喧嘩を売る馬鹿はいない。 そんな事をしたら、エルがキレて相手の王宮を一発で消し去ってしまうに違いない。 先の大戦でそれくらいは証明できたはず。 五十万対一。圧倒的な戦力差。 それをたった一人で覆した。戦場において、数が多いの方が有利なのは基本中の基本。 教科書の一番最初に乗る事だ。 その常識を打ち砕いた奴がいる相手を、わざわざ攻めたがる馬鹿はいないと信じたい。 まぁ、この国から攻めようとしないのは、ただ単純に本人が乗り気でないだけだが。 中には過激派も居る為、抑えるのに苦労しているらしい。 あんまり酷いようなら殺すとか、そんな過激な発言を耳にするが気にしてはいけないのだろう。 世の中には知らない方がましな事だってあるんだ。
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