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姉、と言うのはあのシルノの事だろう。
まぁ、彼女が強引に此方へ転校させたのだ。
どうにかしてもらうしか無い。幾ら神といえども、時間を元に戻せるわけではないのだ。
時間の流れを操作する事は出来るが。
幾らかの時間を回って行くと、エルの携帯が着信音を響かせる。
「事が起きました。いきますわ」
「了解です」
二人は空高く上昇して、現場へと向かう。
エルは箒に腰かけて、ファイは風魔法で浮遊して。
一応、エルはファイの速度に合わせているらしい。相対速度はほぼゼロに近い。
それでも速度は十分に速いのだが。
幸いにも、場所は二人が離れていなかった為、すぐに到着する事が出来た。
「見えましたわ。ファイ、先に」
「了解しました」エルの指示に従い、ファイは急降下。
既に装備していた刀の鯉口を切り、抜刀。
女子生徒の腕を掴んでいた、黒いフード野郎の腕程度は斬り落としてやろうかと思ったのだが、上空から近づいている事に気づいたらしく、すぐに飛び退いて回避された。
どうやら、伊達ではないらしい。
「お前が件の男だな」
刀を構えたままファイは言う。
既に仄かに暗くなってきたのもあってか、その顔を窺う事は出来ない。だが、此処でこいつを捕獲する事が出来れば、目的もはっきりとする。
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