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かと言って、やらなければ本当に頭を大根おろしのように、すり下ろされる事だろう。
なんだかんだで残酷なクロノだ。
不死であると知っていたら、確実に殺す。何度でも。何度でも。
だからこそ「魔人」と名がついている。
不死、とは言っても痛覚はある。
痛いのはごめんだ。
「……ファイ。お前もお前だ。何があったかは知らないが、きちんとこの人の手綱くらいは握って貰わないと」
「反省してます……」
父にそう叱られて、うなだれるファイ。基本的に息子にはそれなりに甘い、父である。
厳格と言うには程遠い。
まぁ、クロノの父……リオンがそもそも努力だとか、格式だとかに拘り過ぎない人だったのが、幸いしている。
頑張れば何でもできるなんて言う奴ほど、現実に打ちのめされる。
努力しても出来ないもんは出来ない。
むしろ、リオンは「諦め」という言葉を教えたのだ。
努力しても出来ない事はあるのだ。絶対に、それはある。
親子揃って「努力」ではどうにも出来ない問題を抱えていたから、その傾向がより顕著だ。
「まぁ、お前の高校生活も順風満帆とはいかないみたいだな」
「父さん、あの人を任された時点で諦めているよ」
遠い眼で言ってやる。
「これでも、少しは甘酸っぱい青春を期待していたんだけどなぁ」
「お? と言う事はあの子に告白でもする心算だったのか?」
「……まぁ、機会があればする心算だったさ」
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