うのうぇn。貴方は何の為に?

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二人が転校してきてから、一週間ほどが経過した。 この学校の生活にようやく慣れて、快適に過ごし始めた頃だ。 この学校の時間割はやはり、というか当然の事ではあるが、座学が多い。 普通教科にかける時間が非常に多く、実技系統の時間が少ない。 これは流石に仕事をしている彼らに、一般常識を教える為に必要な事だ。 給餌などで普段から忙しい彼らに対して、実技を時間割に入れることは失礼に値する。 彼らは幼くとも、プロだ。 その技術に対して口を出す事は、教師ではなく同じプロでなければならない。 素人に口を出された程度では、彼らは聞き入れない。 だからこそ、紅茶の淹れ方などを教えたりはしないのだ。 とはいっても、実技が全くないという訳では無い。 流石に護身術までは、出来る訳では無い。 それ故に護身術の授業だけはあるのだが……。 ファイにとっては、素人が戦闘の真似事をしている程度にしか見えない。 精々、その道を目指している中学生相手なら、何とか互角の勝負が出来る程度。 ユーレリウルの生徒達には歯が立たないだろう。 不良くずれを撃退するには、十分な力だろうが。 丁度、今は体育という名の護身術授業の時間。 今回の相手は、非常に弱いという事がわかる相手だ。まぁ、踏み込みとか中々だが攻撃にキレがない。 技術だけが先行して、基礎がなっていない。 本来、強固な基礎があってこその技術だが、基礎を完全にすっ飛ばしてる。 だから、それなりには強いだろうが、ある一定の基準を超えると非常に弱い。 しかし、この授業の担当であるヴァンは中々良い教え方をしているみたいだ。 前回の模擬戦の時の実力から察するに、ギルドランクはAだろう。 流石にユーレリウルの担任には及ばないが。
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