うのうぇn。貴方は何の為に?

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自由に変えることが出来ると言っても、たかが知れているのだが、不利な状況であるという事に変わりない。 銃弾の軌道を変えられるだけで、どれだけ厄介な相手か。 しっかりと目を見開いて銃弾を見なければならない。 ファイはゆっくりと後退する。 後退するしか出来ない。 迂闊に近づけば、間違いなくハチの巣にされるに違いない。 此処は一度引いて、相手をかく乱して魔力が切れるのを待つしか無い。 持久戦に持ち込むが吉。だが、出来れば早めに始末したい。 懐にさえ飛び込めれば、こちらのものだ。 まぁ、そんな博打を打つ気にはなれないが。 「そうそう、僕の魔力切れを狙っているのだとしたら、止めた方がいいよ。このまま銃を撃ち続けても後、三時間以上は持つからね」 銃弾を放ちながら、ビリーは逃げ回るファイに宣言した。 三時間は持つ。成程。良い事を聞いた。 「そうか。分かった、だったら君を後三時間、足止めすればいいだけだな」 「強がりだな……!」 連射速度を上げる。 流石にこれは予想外だ。まさかここまで連射速度を上げる事が出来るなんて。 地面を飛び回る動きが余計に激しくなる。 来る弾来る弾を横っ跳びして回避して、避けられない弾は刀と鞘ではじき落として行く。 ジリ貧だが、互いに決め手を持たないが故に、この状態が続く。 ファイは勝ちに焦らない。何せ中にいるのは敗北を知らない男だ。 むしろ焦るべきはビリーの方だ。 すぐに制圧しなければ、通報を受けた軍やギルドが駆け付けるだろう。 としたら不利になるのは反乱した生徒たちだろう。 義勇軍風情が正規軍の装備に敵う理由が何処にあるというのだろうか? いや、そもそも兵士の錬度も比べ物にならないだろう。 余程の事がない限り、新兵に毛が生えた程度の連中に敗北は無い。 頭が悪い連中は学生の兵でも一般的な兵士とそう大差ないとでも思っている。 正直に言ってしまおう。馬鹿丸だしだ。 大人をなめるな。
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