うのうぇn。貴方は何の為に?

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そもそも、修練を積む環境が違う。 才能が、だとか気合いがだとかそんな事を言う奴らに限って、戦場では死ぬ。 才能だとか、気合いってのは最終的なものにすぎない。 確かに戦場においては根性論は役に立つだろう。 だが、才能が戦場に在ってなんの役に立つというのだ? 今いる、最強の名をほしいままにする人物たちでさえも、才能だけでは得られない物を持っているのだ。 努力だけでなく運や環境。 そのすべてがあってこそ初めて実力というものは上がる。 尤も、戦場において勝利の鍵を握るのは、作戦だが。 どんなに強くでも、周囲を囲まれてしまえば意味がない。 多勢に無勢では状況が悪すぎるというもの。 まぁ、そんな戦場の常識をぶち壊す奴は、たった一人だけいるのだが。 あえて明言は避けておこう。 「強がりかどうかは君がよく分かっていると思うけどな!」 向かいくる弾丸を切りおとしながら、防戦に徹する。 抑えろ抑えろ。今はどう頑張っても攻めに転じる時では無い。 特に今まで戦ったことのない、遠距離型の戦術を使う相手では、慎重になった方が正しいだろう。 此方は余裕だ。 攻めに転じればどうかはわからないが、このままなら三時間粘る自信がある。 講堂からは悲鳴が聞こえる。 そうして幾らかの戦闘音も。 中でエルが戦っているのだろう。 数が数だけに、相手をするには厄介だろう。 ある程度、整列していた状況だったので、防護結界を張る事は出来た筈だ。 エルがその状況を見逃すはずがない。 「っち……このままでは……」 次第にビリーに焦りの色が見え始める。 状況が不利だと分かったのだろう。 だから言ったのだ。間違っていると。 「どうしたビリー。随分と焦っているみたいだけれど」 更に焦りを煽る。 「……予想外だ。まさかここまで耐えることが出来るなんてね」
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