訪れる未来の女神

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確かにそんな人物が親戚に居るとしたら、彼女ばかりが親戚中の目を引いて、どれだけ自分が努力をしても、認めて貰えるどころか目も当てて貰えないだろう。 もし、その親戚がリオンのコンプレックスだとするのなら、リオンの普段の言動は自分の実力を認めて貰えない裏返しとも取れる。 自分にも似たような思いをした経験があるのだ委員長も。 彼女もかなりの家柄を持つ貴族である為、他人と比べられる前に身内で比べられる。 今はもう慣れてしまったが、それでも昔は子供心にはかなり辛いものがあった。 もし、リオンが今もなおそれに苛まれ続けているのだとしたら、力を隠したくなる理由もわからなくもない。 自分の過去を無かった事にしたいのだ。 努力と言う名の過去を。 だがしかし、委員長はここで疑問に思う。 「リオンの親戚って……貴族なのかしら?」 王室騎士隊、と言うのはその名の通り、王家直属の騎士たちによって構成された部隊の事だ。 確かにこの隊への入隊は貴族にとって、非常に名誉な事だ。 貴族にとっては、だ。 実はこの隊に平民の身分は一切入っていない。 王室近衛兵隊ならば、平民の身分は幾らでも居る。 が、王室騎士隊には平民は誰一人として入っていない。
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