うのうぇn。貴方は何の為に?

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「おいおい、俺も安く見られたね。まぁ、実際そこまで強くはないけどよ、意地位は見せられるぜ」 苦笑しながらヴァンはそう言った。 その表情に油断も、慢心も、怯えも、何もない。 只、目の前にいるのが敵。自分の役職はなんだ? 教師だ。 だとしたら、どうする? 答えなんて決まっているだろ。 自分の背後には沢山の生徒が居る。 目の前にある脅威に怯えている。 だったら、それを護るだけだ。 例え相手が「教え子」であったとしても。 「何のつもりだ、お前達。こんな事をして退学処分じゃ済まないぞ」 ヴァンは目の前にいる連中にそう言い放つ。 「……分かっていたのか。凄いなあんたは」 一人の男がそういう風に言葉を発する。 その男には癖があった。昔から足をよく滑らせるようにしていたのだ。摺り足が癖になっているのだろう。 それに、剣の構え方。若干右の手に力がかかったままで、片手で振れるようにしている。 足は常に左足を若干前にしているのに、右に力を入れるなんて、ふざけたことをやる奴はそう多くいないだろう。 「そんな事はどうでもいい。質問をしているのはこの俺だ」 「答える義理は、無い!」 そう言うと、彼に向かって斬りかかってくる。 だが、一蹴。剣を受け止めると、そのままはじき返したのだ。 力技。その一言に尽きる。 「あらあら、頼りになりますわね。これは私の出る幕は無いかしら?」 「おいおい、手伝ってくれても良いだろ。君の実力は頼りにさせて貰っているんだから」 「うふふ、私の仕事はしっかりとさせて戴きますわ。出ないとクライアントが五月蝿くて仕方ありませんの」 やれやれと溜息を吐きながら頭を振るエル。 面倒臭い事はごめんなのだ。
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