うのうぇn。貴方は何の為に?

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例え、今日という日を見越して、秘密裏に訓練を積み重ねてきたとしても、この実力は半端では無い。 いや、逆だ。 これを実力と呼べるのか、甚だ疑問だ。 只、この従者達は「力」をつけただけにすぎない。 訓練によって身についたものとは全く異質なものだ。 そう……例えるなら筋力トレーニングをしただけの状態だ。 実に不愉快極まりない。 こんな連中に腕をもぎ取られるなんて。 例え、魔法で姿と気配を消していたと言っても。 いや、全く以て実に…… 「不愉快ね」 彼女の体を覆い隠していた布切れが、どんどんと斬り刻まれて、肌を露出して行っている。 傷は所詮、すり傷程度の浅さだが、そういう風に避けているし、相手がわざと殺さない用にしている。 向かってくる剣を槍を、流れるような動きで回避するしか無い。 反撃に転じる暇はない。 その気になれば今すぐに殺す事だって出来るのに、あえて生殺しにしている。 いや、動物としての本能の一つからか、あえて服だけを切り刻んで行っているのだろう。 全裸にして晒し者にしようとでも言うのだろうか? 此処にいるのは男ばかり。女の姿は少ししか見当たらない。 その誰もが、おそらくは使用人や従者の類だろう。 だから、エルのような美しい貴族を晒し者にしようという気になっているのだろう。 ああ、戦いの中でも生殖本能を忘れないのは、実にすばらしいよ。 人間が動物であるという事を示している。 男が女を孕ませたいという、それだけの欲望だ。 どうせ、ここに居た生徒達の何人かは、慰み者にする心算だったのだろう。 美しい、可愛らしい少女ばかりを。
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