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そもそも、平民は絶対に入れない部隊である。
そんな所に入隊出来るとなると、リオンの親戚は貴族で無ければならないのだ。
その事を失念していたのか、ファイは次の言葉に困った。
さて、ここからどう切り返したものか。
知ってのとおり、リオン・ヒルタレンは平民である。
ファイ・クロノ・デルシオンや、カレナ・ケイル・ユエルアなどとは違い本当の一般市民と言う事になっている。
貴族で無いリオンが、なぜ貴族の親戚を持っているのか、分からないのだ。
「あ、ああ……それね。実はリオンの母親が貴族の娘で、昔結婚した時に貴族をやめたんだ」
若干苦し紛れだったりするが、平静を保っている風を装う。
「珍しい人もいたものね。わざわざ貴族をやめるなんて」
確かに。貴族を自分から進んで辞める人なんて、かなり少ないだろう。
貴族でいれば一生暮らすのに困らないのだから。
弱小貴族はそうはいかないが、中流貴族ならば裕福な生活くらいできる。
弱小と言っても、それなりの格と資産があっての事。
のし上がれるチャンスなら幾らでもある。
まぁ、それだけ愛が強かったのだろう。
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