うのうぇn。貴方は何の為に?

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先程の手が上手く言ったからもう一度、と思ったのだ。 まあ普通ならそれが正しいのかもしれないが、この女性に同じ攻撃は二度も通用しない。 彼女に通用するはずがないのだ。 「ふふふ……」不敵に微笑むエルは、瞳をめぐらす。 どの顔も恐怖している。 良い顔じゃないか。自分たちが圧倒的戦力であると思っていただけに、その表情は格別だ。 上には上が居るという事を知っただろう。まぁ、知ったら死ぬだけだが。 「まぁいいわ。ゆっくりやればいいだけだもの。そう、ゆっくりと始末していけば、そこまで被害は出ないでしょ」 呟くとその手に剣を。紅蓮に彩られた美しくも禍々しい剣を握る。 それは実体をもたない。 言うならばエネルギーで作られた剣。ビームソードと表現すると分かり易いか。 今までの炎剣とは訳が違う。 それはそれそのものに名前を持つ。 災厄の魔杖レーヴァテイン。 それが、エルの握る剣の名だ。 彼女のその剣がただの炎剣で無い事は、肌を突き刺す熱気でわかる。 その剣の前にはここにある武器や防具は、一切として役に立たないだろう。 試しに彼女はその剣を一振りする。 その場にいたまま、近くにいた一人の頭上に振り下ろしたのだ。 すぐさま反応して、跳び退り回避するも片足を斬りおとされた。 「がぁぁぁああぐうぅ……」 苦痛にその表情を歪め、切り落とされた足を抑える。 辺りに肉と血の焼け焦げた臭いが漂う。
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