うのうぇn。貴方は何の為に?

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通常ならば彼女達の体に銃弾がめり込んでいる事だろう。 ビリーの腕前はそれほどまでに高いのだ。 だが、彼女達には一つの「お守り」がある。 銃弾は瞬間的に反応したトランプが二発とも防いだ。 驚いているビリーを尻目に、二人は防護魔法の内部へと無事に入る事が出来た。 「ふふ、無駄だったわね」 嘲笑うエル。実に憎たらしい笑い方だ。 ぎろりと鋭い目をして彼女を睨みつけるビリーを、ファイは攻撃する。 「余所見するなよ」轟、炎が彼の体をかすめた。「お前の相手は俺だぞ」 まさしく火事場の馬鹿力。凄い大火力だ。先程までとは比較にならない。 ウルカヌスを召喚した事が大きいのだろう。 刀を構えてファイは目の前にいるビリーと再び対峙する。 「……無駄という言葉を、知らないのか?」 「知っている、誰よりも」 刀を一振り。炎刃が放たれる。 同時にウルカヌスは剣で斬りかかる。 二方向からの攻撃だ。そう簡単には避ける事は出来ない。 これに対してビリーは、まず銃弾を放ち炎刃を無効化、続いてナイフでウルカヌスの剣を受け止めた。だが、流石に重かったのか受け止めた後にすぐにはじいた。 すぐにファイは追撃をかける。炎を纏っての一撃だ。というか炎を纏わせなければ攻撃にならない。 足を少し開いて力を入れる。反動に備える体勢だ。 拳銃を両手で構え、銃口をファイに向けてサイトで狙いを大まかに定める。 そしてビリーは引き金を絞った。 筋力、魔力が強化された彼がこうするという事は威力が強化されているということになる。 放たれた弾丸……いや、弾丸と形容するのはどうだろうか? ビームと形容した方が正しいのでは無いのかとすら思う。
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