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甲高い金属音が響き渡り、互いの顔が近くなる。
「自分の拠り所が奪われる感覚など知らないだろうな!」
鍔迫り合いとなったまま、ビリーは怒鳴りつける。
幾ら大きめのナイフとは言っても、刀と鍔迫り合いをするなんて、ありえない。
「拠り所なんて自分で作るもんだろうが!」
「軽々しく言うな! 何も知らない温室が!」
「愛した女を殺す事しか考える事が出来ない奴が、偉そうな事を!」
ファイは力でビリーを押し出す。
流石に片手のナイフでは耐えることが出来ないので、跳躍して後退。
その際にやはり弾丸を放っておく。
ファイはそれも先程と同様に焼き払う。
その間にビリーは再び接近。
銃弾を連続で放ちながら、急速に接近する。
ファイはそのすべてを刀でたたき落としている。
凄まじい反射能力と剣速だ。
通常状態なら間違いなくまねできないだろう。
「愛という名の罪を犯した事がない奴が、知ったふうな口を聞くな!」
次は一撃の身に力を入れることはなく、素早く打撃と近接での銃撃を加えた、極めてトリッキーな技を繰り出す。
打撃は防御し、銃弾は回避する。
それが鉄則だ。流石にこの至近距離となると、炎の鎧でも厳しい。
「好きな相手を傷つけたことならあるさ!」
僅かな間隙に剣を振るう。
後ろに跳ぶ事で回避され、銃弾を撃ち返される。
流石にそれは回避せざるをえない。
「ファイ! お前は一体何の為に戦うんだ!」
「其処に戦う理由があるからだ!」
「その理由は一体何なんだ!」
「逆に聞いてやるよ! お前は何の為に戦ってんだ!」
激しい攻撃の応酬。銃弾が飛び、火の粉が舞い、火花が散る。
そんな中で会話をする。
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