うのうぇn。貴方は何の為に?

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随分派手にやってくれた、と愚痴を言っても始まらない。 とりあえずは、焼け崩れる前に消火しなければ。 生き埋め、なんて事になったら、それこそ大問題だ。 全員を生かしておくことだけは出来るが、脱出するのが骨だ。 どうせ、騒ぎを聞きつけた外部の連中が、そろそろ駆けつけてくる頃だろうけど。 埋まってしまったら何時間かかることやら。 とりあえず、これ以上魔法を使用したくないので、というか威力の調整が面倒なので、使い魔と一部の生徒たちにも手伝ってもらう。 生徒たちだけに働かせては、教師の面目も何も無いので、きっちり彼らも働いてもらった。 複数人でやれば、大火事もあっという間に鎮火した。 二十分程度だろうか。 火を消している間に建物の一部が崩れたのは仕方の無いことだが、それによって怪我人が出なかったのは、不幸中の幸いだ。 火事が収まると同時に、通報を受けた警察やギルド、果ては軍まで一斉にやってきた。 軍を動かすのならもう少し速めにしてほしかった。 というか、これだけの機関を同時に動かしている所を見ると、大分慌てていたらしい。 どうせ、遅れた理由も、上層部がパニックにでもなって、てんやわんやの大騒ぎになっていたからに違いない。 とりあえず、生徒たちの保護を彼らに任せて、エルはこの場の責任者らしき人物に事情を伝えに行く。 無傷だった少女たちは互いに抱き合い、涙を流すものも居た。 その中でも、一部の生徒たちは、どんよりとした重たい空気が流れている。 恐らくは自分の従者が、敵の中に居たのだろう。 まぁ、そのくらいの事はよくある事なので、成長する為の踏み台となってもらえたら良いが。 しかし、気の毒だ。中には本当に信頼をおいていた少女もいただろうに。
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