うのうぇn。貴方は何の為に?

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何が不満だったのかは分からないが、彼らも欲深いだろう。 それ以上を求めたのだから。 今回の事件で病院に運ばれた生徒は二十数名。 内、十数名が精神的にダメージを受けている。 アイラもその一人だ。 精神に重度の付加がかかった所為か、ぼんやりとした目つきのままだ。 話しかけても上の空。 流石に男に肌を触られ、しかも血液がかかるほどに間近で人が死んだのを見たら、普通はそうなるだろう。 しかも死に方がかなりあれだったのだ。思いっきり、鮮血を顔面から浴びれば、否が応でも恐怖するだろう。 スプラッタが好きな奴でも、流石に現物を見たいとは思わないはずだ。 そうでなくても間近で「戦い」ではなく、スナッフムービーを見せ付けられた後である。 心臓がとまらなくて本当によかった。 なお、戦闘が終わって、ぶっ倒れていたファイも一緒に病院送りになりました。 付き添いには半べそのシルノが行ってくれました。 過度の肉体酷使、魔力酷使の体でよくも強がりを言ってくれたものだ。 普通ならビリーを殺した直後に、ぶっ倒れてもおかしくは無いのだが。 死体にずっと寄り添っていたビーチェは、状況説明が終わったエルの所までわざわざ、やってきた。 「……貴方には、世話になったわね」 彼女は感情を表現していない、顔でそう言った。 それはあまりにも痛々しい。 「世話? 礼なら私じゃなくて、あの子にして欲しいわね」 底意地の悪い笑みを浮かべて、エルはビーチェにそういってやる。 どんな返答が帰ってくるのか位は分かっている。 「……貴方って本当に、意地が悪いのね。あたしが、今あいつの顔を見たら、殺したくなるって分かっているのに」
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