うのうぇn。貴方は何の為に?

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遠目から様子を伺う。 「げっ、姉貴! どうしてここに!」 ヴァンが恐怖で引きつった表情で、悲鳴にも似た声を上げる。 「どうしてだって? オラトリオ学院が襲撃されたって話を聞いてね。慌ててやってきたんだ」 「……なんで来たんだ」 「来ちゃ何か拙い事でもあるのかい? ああ、あのアシュレイって子に自分のみっともない所を見せたくないのか」 「……なんでそのことを」 「お前さんの机の上とか見てりゃ分かるさね」 「あんた、俺の部屋に勝手に入ったのかよ!」 「姉が弟の部屋に入るのに許可が要るのか?」 畜生、といわんばかりに地団太を踏むヴァン。 驚いた。まさか、あのヴァンが担任の弟だったなんて。 似た武器を持っていて、似た戦術を使っている所を見ていたら、なんとなく知り合い程度には思っていたが。 まさか血縁者だったとは。 あんな姉を持つとは、流石のエルも同情せざるを得ない。 「先生!」今度はエルもよく知っている人物が現れた。 というか、孫の想い人だ。 「おお、カレナも来たのか」 「ええ、まぁ。ファイがこの学校に転校したって話を聞いて飛んできました」 「この任務は一応、ギルドランクはAだったから。直接これたのか。他の連中は?」 「外で待っています。みんな心配だった見たいで。あの、そちらの方は?」 「ああ、紹介するよ。こいつは私の愚弟。ヴァンだ」 「え……先生弟さんが居たんですか」
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